柴門ふみ『美味読書 愛も学べる読書術』(角川文庫 2002年)

 小学生の頃は海外児童文学に親しみ、中・高と小説の面白さにのめりこみ、大学時代は一日二冊、年間七百冊ぐらい読んでいた。――大学の門をくぐると教室へは行かず、生協へ行って文庫と新書を二冊買い、図書館ロビーや喫茶室で黙々とこれらを読み続け、その日の夜には二冊とも読み終えていた。私の人生でもっとも本を読んだ時期である。(P.206)

 柴門ふみがこれほどの読書家だったとは知らなかった。この本でカート・ヴォネガットを推薦していたので『タイタンの妖女』を買って読んでみたのだが、私には合わなかった。100頁ほど読んで挫折してしまった。

 私が最も敬愛する著述家、小林秀雄の本も近頃は絶版が多い。(P.209)

 うわあ、この人まで小林秀雄の影響を! 小林秀雄とは、いつかきちんと向き合わなければいけないのだろうな。