酒井順子『煩悩カフェ』(幻冬舎文庫 2002年)

 その意地悪な視線が快感な、酒井順子のエッセイ。

 「連れてって病」キャリアの人というのは、ふと気がつくと、誰かと結婚していたりします。彼女は非常に冷静に、「私の性格を考えると、下手に自立の道を歩むよりも、頼りになる男性にずっと手を引いてもらい続ける生き方の方が合っているに違いない」という判断を下している。
 一生誰かにどこかに連れていってもらい続けることができるのであれば、こんなにラクなことはありません。それはそれで、非常に賢い生き方であると言わざるを得ない。(P.103)

 私も「一生誰かにどこかに連れていってもらい続け」たかったわ。