能『彭祖』

 能『彭祖(ホウソ)』を見に行きました。久しぶりの能楽鑑賞。
 この曲は有名な『菊慈童』や『枕慈童』と同じく、周の穆王に仕えていた童子が罪を得て深山に流されたものの、王の慈悲によって与えられた偈の霊力によって七百歳の長寿を保った、という話がモチーフになっています。相違点は、二作品が半能形式で後場のみなのに対して、この『彭祖』は短い上演時間ながら前後場のある複式能形式をとっていることです。金剛流だけに伝わる稀曲とのこと。
 久しぶりの能楽鑑賞に、前場は謡に聞き入っていたのですが、後場は眠くてもうダメ。シテの舞う「楽」の時には、目を開けているのがやっとになってしまいました。情けない。
 この曲、先にも書いたように複式能としての形式は整っているのですが、祝言曲としての華やかさ、すっきりとした感じは『菊慈童』の方が優っていますね。